株価が気になって仕事や家事が手につかなくなるから、株(金融商品)に手を出すのはやめたほうがいい、みたいな感想を時々見かけます。

直近で見かけたのはここ。
株とかFXとかやってはいけない最大の理由

私も2004年ごろ社会人1〜2年のころに手を出し、以来10年以上、社会人やりながら株取引をしてきました。
トータルでは車一台分くらいのプラスになってると思います。

基本的に金融商品には興味があって、国内外の株の現物から始まり、信用、先物、オプション、外国為替(FX)、債券、CFD、まで簡単に口座開設できるものには一通り手を出しています。

もちろん資産価格の変動が全く気にならない、ということはありません。
逆に変動資産を持っていて、全く気にしない、というのもあまり良いことではないと思います。
適切に気にしてコントロールしていくことが重要です。

自分の体験や、人の話を見聞きするに、普段の生活に支障が出るほど気になってしまう場合には、いくつか理由があるように思います。
・投資資金が余裕資金ではない
・投資資金が大きすぎる
・戦略を持っていない
・ギャンブル依存傾向である

順を追って確認してみましょう。
簡便のため、株の現物買いベースで書いていますが、FX、その他金融商品も同様ですので適宜読み替えてください。

■投資資金が余裕資金ではない
ご存知の通り、株を始め、金融商品の多くはリスクがあります。ここで言うリスクとは評価額(株価)が変動することです。
ごく簡単に言えば、ある会社の株を10万円分買っていて、その会社が突然倒産することになった場合、その株はほぼ0円になるということです。

ここに生活用のお金があるとします。
これは生活するために必要なお金なので、余裕資金とは言いません。
そのお金で、株を買っていたらどうでしょう。
倒産こそしなくとも、毎日株価が気になること間違いありません。
そのお金が目減りすれば生活に困るわけです。

通常、ここからスタートする人は少ないですが、特に、株やギャンブルにどっぷりハマってしまった末に、起こりうる話です。

また、退職金で運用でも始めよう、と考える人もここに当てはまる可能性があります。

余裕資金というのは、言ってしまえば、あろうが無かろうが特に変わりばえのしないお金のことです。
一部であっても、その退職金が無くなって本当に問題無いのか考えるべきです。

■投資資金が大きすぎる
仮に、余裕資金であっても、特に株のイロハも分からないうちに、多額の投資を行うと、冷静な判断ができなくなる場合があります。
これは主に心理的な要素です。

額に加えて、値動きの激しさという要素もあります。
いきなり100万円分の株を買って1時間で上下20万円も動くような銘柄を買っていては気になって当然です。

このような派手な値動きをするものは話題に上りやすく、儲けたという話も目に付きやすいため、初心者が手を出しがちです。

また時折、選んだ銘柄を一度に全力で買ってしまう方があります。
100万円の資金があるとして、100万円で買えるだけ買ってしまうパターンで、値動きがさほどでもなくても、その資金がただ一つの銘柄の命運に左右されるのですから、やはり気になるものです。

以上2点は資金面の問題から、日常生活に支障をきたすパターンです。
原則として、資金的な理由で、価格が気になってどうにもならない、という場合には、その額は余裕資金ではないと認識したほうが良いと思います。

つまり、気にならなくなるまで、減額すべきなのです。
1日30万円動いたらどうですか? 3万円なら? 3千円なら? 3百円なら?
その範囲に収まる額があなたにとって本当の余裕資金となります。

■戦略を持っていない
前項までは、主に資金的な理由でしたが、これは知識・ポリシー面の問題です。
資金面で問題が無くなっても、今度は、買った株をいつ売ればいいのか、といった問題で日々価格が気になるという場合があります。

余裕資金とは言え、やはり買った株が値上がりすれば、うれしいもので、できるだけ儲けたいと思います。
一旦値上がりした株が下がってくれば、やはりあの時売れば良かった、と思いますし、再び値上がり始めると、今度こそもう売っておこうか、いや今度はさらに上がるかも、などと悩み始め、株価が気になる、というパターンです。

もちろん逆もあります。買った株が値下がりした、損切りしようか、でももう少し待てば戻ってくるかもしれない・・などです。

ある程度売買経験を積んで、株の知識もいくらか学んだ後に陥りやすい傾向にあると思います。

割安な株があるとして、今買っておけばなんとなく上がるんじゃないか、という気持ちで買ってしまうというのもその一例です。
読みが当たって、その後株価が値上がり始めたとしても、結局それがどのくらいの期間にどの程度上がるものなのか想定しない(できない)ために、売り時が分からなくなって日々の株価が気になるのです。

もちろん、売り時の見極めは誰にとっても難しく、正解もありません。常に結果論です。
従って、ここは自分の中で戦略・ポリシーを持つしかありません。

一つの方法としては、取引を始める前に、その取引は短期なのか中長期なのか、それぞれどの程度の投資期間を想定しているのか、を明確にしておくことです。

この株は近いうちに値上がりする、と踏んで買ったのに、なかなか上がらず、逆に下がってしまったものを何ヶ月も持っているというのはおかしいですし、逆にこの会社は数年後必ず大きくなると思って買ったのなら、今日・明日の株価を気にするというのは妙なものです。

短期で値上がりすると見たなら、結果によらず短期で手仕舞う(売る)、長期の展望があるなら短期的には気にしない。
その結果が期待したもので無かったのなら、どこがまずかったのか反省して次に生かす。
このようなポリシーをしっかり持つことでだいぶ変わります。

短期の取引が中心の人もいれば、中長期がメインの人もいますし、器用に両方こなす人もいます。
ここは人それぞれで、要するに自分の頭で考え行動し、しっくり来るスタイルを選ぶ、ということになります。

短期の例としては、チャートや出来高等の傾向から値動きを予想するもの、会社の何らかの動き(新商品発表、市場の指定替え、TOB、FXならその国の金利事情等)を予測するもの、などがあります。

中長期の例としては、この株価水準は会社の価値から見て不当に安いので、この水準になるまでは持つ、あるいは信用度が高いので配当目的で持つ(債券、投資信託等)などがあります。
特に前者のやり方はバリュー投資家と呼ばれる人にとっての基本戦略で、四半期決算や外部要因によって、随時適正水準の見直しを行って、それに基づいて売買をしていますので、例え短期でも適正水準を超えたと見るや売ってしまうこともが多いので、期間にしばられないやり方とも言えます。

期間を区切ると共に、どのような戦略を持っていても、価格が-8%、-10%になった時点で一度、損切る(損が出ていても売却する)、といったルールを決めている方もいます。
逆に値上がりした場合にも、その最高値から何%下落した時点で売ってしまう、というやり方もあります。
機械的なルールを作ることで、心理的な逡巡による負担を軽減する方法です。

以上は、ほんの一例で、この項については星の数ほど書籍なども出ていて、勉強ありきとなります。
逆にそれが面倒くさいと思う場合には、やはり日々の株価が気になるパターンに陥る可能性が高いと言えます。

なお、私見を言わせてもらえれば、初心者の場合、適正価格を見極める能力を伸ばしてじっくり取り組むのが正攻法だと思います。
短期で儲ける方法もよく紹介されていますが、ごく短期の手法は、センスや経験、瞬発力が必要で、それこそ随時株価を気にしなければならないことが多いものです。

■ギャンブル依存傾向である
金融商品の値動きは超短期的に見れば予測不可能に近く、一瞬で資金が増えもすれば減りもする、という現象はギャンブルと同じです。
従って、資金量・戦略に関係なく、ギャンブル的側面から、値動きを気にせずにはいられない、という方は一定数いるようです。

ここで半端なアドバイスをするわけにはいきませんので、そういう傾向があると思われる場合は、専門医に相談していただくのが一番良いかと思います。


長々と書きましたが、一番言いたいのは、なんか株とかやると気になってしゃーないからやめたほうがいいよ、ってのは間違ってはいないけど、鵜呑みにするのはもったいないかなーと思った次第です。

もちろんやらないほうがいい人というのも確かにいて、
・勉強したくない
・博打好き
・メンタルコントロール苦手
という方は概ね避けたほうが無難かと思います。

また、一攫千金大儲けとか、不労所得で楽をする、みたいなスタンスも失敗しやすい要因です。
あくまでも、人生の資産形成、近い将来の金融情勢に対するヘッジ(資産毀損の回避)を目的として、長く付き合える方法を見出すべきだと思います。

とにかく、一定の勉強が必要ではあるものの、決してサラリーマンだから無理ってことはないと思いますし、その勉強で身につく経済的知識、金融リテラシー、資産管理能力は決して小さくはないと思います。