諸君、帽子をとりたまえ、天才だ

ショパン 若き日の肖像を読んだ。

ショパンの二十代前半を中心に、その様子を紹介している。

本書は主にショパンとその相手の手紙を通して紹介する形になっているが、
一般の「書簡集」と呼ばれるものよりも、心情や生活背景などがより詳細に書かれているようだ。

もちろん、いつどんなことがあって、各曲が作曲されたのかということも書かれている。

冒頭の引用は若き日のショパンに対するシューマンの批評だが、
ショパンが天才とされたのは、その独創性にあったとされる。

ショパンの独創性は、
「ピアノを直感的に理解し、その魅力を最大限に引き出せた」
というところにあるのだろう。

直感的であるがゆえに、ピアノ曲以外の作曲はしなかった(できなかった?)ようだ。
師にオペラの作曲を勧められていたが、生涯オペラを作曲することはなかった。
やはり、ショパンはピアノのために生れてきたのだ。

ショパンの師エルスネルは、ショパンに宛てた手紙でこう述べている。

真実にして美しいものは、模倣するのではなくて、自己の信条や高い規範に従って体験しなければならないのです。
どんな人間も、どんな民族も、至高の完璧な手本とみなすことはできません。ある人達とか民族は、多かれ少なかれ、うまくいった例を示してくれるに過ぎないのです。
結論を言えば、芸術家が同時代の人々の賞讃を得られるものを見出せるのは、自分自身によって、自己を完成させることによってだけなのです。

オススメ度★★