カント入門を読んだ。

「哲学」入門ではなく、「カント」入門なので、
多少哲学知識が必要かもしれないけど、
とてもよくまとまっているように思える。

カントの哲学は、いかにも本物らしく見えるもの(仮象)を批判し、
真理・本質を見抜く「仮象批判」である、という視点から思索と著作を辿る。
その視点がブレないので読みやすい。
(もちろんだいぶ削がれたりした部分もあるんだろうが)

いきなり純粋理性批判を読み始めて挫折しそうな人も、
このような入門書を読むと理解できるようになるかと。

純粋理性批判の冒頭では、「この本は分かりにくいかも」
みたいなことが書いてあってびびるんだけど、
カントは普通の人にももっと知ってもらったほうがいいんでないかと思った。

仮象を批判できる思考とか、
根拠を持てるというのは、望まれていることだと思う。

しかもカントの場合、単に理論の技術屋ではなく、
根底に人間や自然に対する深い造詣とか、尊敬の念があるから、
バランス感覚にも期待できる。

著作を(全部は)読む必要は無い。
本書のような解説書で、何をどんな風に考えていたかを知るだけで十分意義があることと思う。

そして、最も重要なのは自分自身が考えることだ。
それがカントの言いたいことだと思う。

オススメ度★★★