読書についてを読んだ。

先日ちょっと書いた「良書を読むための条件」で引用した文が書かれている本。

■読書について

読書をせんとする者、全ての本に先がけて本書を読むべし。

と言いたくなるほど、読書について鋭い指摘がなされています。

人間まず思索を行うことが重要なのであって、
読書はその思索を助けるものでしかない。
しかも、その書の選択を誤れば害にしかならない。

一日を多読に費やす勤勉な人間は、次第に自分でものを考える力を失って行く。

書物は、その著者の思索の足跡であり、
読書は思索の代用品なのです。

自らの思索の泉が枯れた時に、読書に頼るのは仕方ないとしても、
読書のために思索を退けるのは大変な誤りであると言います。

自分自身、ここ最近意図的に読書量を増やしつつあったのですが、
その割に空虚なものを感じていたのは、ここに原因があったのかもしれない。
無意味な多読は害になるという警告に早く気が付けたのは幸いでした。

読書に際しての心がけとしては、読まずにすます技術が非常に重要である。

特に日々出版される新書、途端に何十万部も増版を重ねる本には
手を出さないことだとあります。これらの本の寿命を考えれば、
読むべき本はまだ他にあるはずです。

■著作について

著作についても厳しいことが書かれており、
文学に対する並々ならぬ決意と自負が伝わってきます。

個人的なメモ書き程度のブログとは言え、
文を書いている自分としても耳の痛いことばかりです。

すぐれた文体たるための第一規則は、主張すべきものを所有することである。

当たり前なのですが、この「主張」をさらに
誰にでも分かるように書くことが必要だと説いています。

多くのもったいぶった言い回しは、批判されたときの逃げ道であり、
裏があるような言葉遣いは、無知に対する隠れ蓑だということです。

また、文章は簡潔に書くのが良いとしています。
ただし、この「簡潔」を履き違え、必要なことまで削ってしまうのは、
やはり批判に対する逃げ道であったり、
足りない部分を読者の考えに任せるといった、
虫のいい考えにつながります。

■この本自体が名著

名著が常にそうであるように、100年経っても
現代の話題のように読めるところが素晴らしい。

書や文に触れる人(要するにほとんどの全ての人)は、読んでおくべき一冊。

オススメ度★★★★★