異端の数ゼロを読んだ。

0と、0と共にある無限による、数学・物理・哲学の歴史が紹介されています。

先日紹介した「地球が丸くないことの数学的証明」は、本書から一部引用したものです。

あの証明は明らかに結論が間違っているのですが、
どこがまずいのかと言うと、

(a+b)(a-b)=a(a-b)

が出てきた後、

両辺を(a-b)で割る。

としてしまったことです。
aとbは1としてありましたから、a-bは0です。
両辺を0で割ってしまったために、有は無である、という結論が導き出されてしまいました。

数字でありながら、他とは明らかに違う性質を持つ0。
この0と無限を克服する理論を作り上げては、また0と無限が現れ、さらに克服する理論を・・・
という流れが見えてきます。
科学の歴史は0と無限を克服してきた歴史のようです。

0と無限が結びつく面白い例があります。

■有理数の大きさは0!?

まず、数には有理数(割り切れる数)と無理数(円周率のようにどこまでも続く数)があります。
どちらも無限にあるのですが、その集合の大きさは、
無理数よりも有理数のほうが小さいことがわかっています。

では、有理数はどのくらいの大きさなのでしょうか。

これを風呂敷の大きさで考えてみましょう。

有理数は無限にあるのですが、
手始めに、3という有理数を考えて、これを包み込む風呂敷を考えます。
とりあえず3を挟んだ数、2.5~3.5という大きさが1の風呂敷なら包めそうです。

さて、次の有理数にとりかかりましょう。
例えば4も有理数ですね。
では、これを3.75~4.25という大きさが0.5の風呂敷で包みます。

先ほどは1の大きさでしたが、今度は0.5です。次は0.25の大きさで包みます。
この手順を無限に繰り返します。

1+0.5+0.25+0.125+…

これを無限に繰り返した場合の極限値は2になります。
つまり、有理数の大きさは2程度ということになります。
割と小さそうですね。

ところで、さっきは大きさが1の風呂敷から始めましたが、
別に大きさ0.5の風呂敷から初めてもよさそうですね。

そうすると、0.5+0.25+0.125+…
今度はせいぜい1くらいの大きさです。

次は0.25の大きさから初めて…

と、これを極限まで繰り返すと、なんと無限にある有理数の占める大きさは0になります。

■無限の和

次はもっと分かりやすい無限が0にも1にもなる話。

1-1+1-1+1-1+1-1+…(以降無限に続く)

この式の答えは何か。

(1-1)+(1-1)+(1-1)+(1-1)+…

こう考えれば0+0+0+0+…となり、明らかに0に見えます。
ところが、

1+(-1+1)+(-1+1)+(-1+1)+…

と考えた場合、1+0+0+0+…となり、今度は明らかに1となります。

などなど、面白い話が随所に現れます。
このような本では、いつもその想像力・創造力に驚かされます。

オススメ度★★★