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時をかける少女

2007/07/21

たぶん実写版のどれかは見てるんだけど、
今日、テレビでアニメをやってたので見た。

いいじゃんー。
まあ、話題になってたころから、よさげだなと思ってたけど、予想通り。
耳をすませばに似た雰囲気あるけど、もう少しノリがよくなった感じ。

舞台となる真夏の東京を表現するのは「もののけ姫」「火垂るの墓」など、多くのスタジオジブリ作品の美術監督を務めた山本二三。アニメーションとして最高レベルの美術が本作を支えます。

そうかー!それでなのかー!
どうりで。

最初のリープ時のピアノ、ゴルトベルク変奏曲(バッハ)にもやられた。
原作ではショパンのポロネーズらしい。
それもいいなぁ。

後は8割方青春映画として楽しんでしまった。
青春時代って、あんなふうに消費されるよね・・

ラストの真琴と千昭のシーンは
「そんな別れ方するために戻ったんじゃないだろ!」
みたいな所で終わっても味があったかも。
・・そういう話じゃないか。

千昭が戻ってきてくれる・・
そういうプラスワンシーンが人生にもあると良いのだが。

そういや、作中にシュレーディンガーの猫がいなかったかな。
どっかのワンカットで一瞬ネコが映った時、即座にシュレ猫!?と思った。
猫が箱の中にいて、ビンみたいのもあった気がした。
話が話だけにありうるし。

今回の時間軸は、過去の時間に過去の自分がいる、という同一線上のものでなくて、
その時間から再度時間が進み始める多次元世界だったなぁ、と。

(以下、個人的な備忘録)

それにしても、シュレ猫なんて誰が言い出したんだ・・
と思いつつ、ググッて復習することにした。

「シュレディンガーの猫の核心」が核心をついていない理由

1年くらい前の記事だけど、今読んだら結構すっきりした。

量子は量子でいいんだね。
粒子と波を基本にして量子を考えていたから曖昧になったのかも。
とにかくミクロでは量子、と。

で、我々の存在は、記事中で言う存在蓋然性が極めて高いだけであって、
100%の存在を保証するものは何も無い。

この考えはしっくり来るな。

個人的には、時間的な持続性みたいのものが不思議だったりする。
極端な話、なぜ、昨日家族だった人が、今日も家族でいられるのか、とか。
(政治的な問題じゃないよ)

人でなくても、昨日ここに置いたものが、なぜ今日もあるのか、とか。

そういうものが全部、必ずしもあるわけではない、
単にマクロで観測しているために、一瞬一瞬、
極限まで高い濃度で存在が確定しているに過ぎないんだ、
ということが分かって安心した。

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三島由紀夫 - 潮騒

2007/07/21

潮騒を読んだ。

一文あらすじ・・
もの静かだが、正直で気力にあふれた漁師の新治が
最近村に戻ってきた初江と恋に落ち、
障害を乗り越え、ついには公認で婚約する。

スンダールの赤と黒を読んだばかりだったので、
その勢いで読み始めたら、妙に陳腐だった。

解説を見ると、
「この作品は『赤と黒』のように読んではいけない」
と書いてある。(なんだこのタイムリーさは・・)

つまり、本作は小説ではなく物語だ、というのだ。
その視点から見ると、作品が色づき始める。生き生きとしてくる。

少年が出会い、恋し、悩み、働き、そして知る。

そういう物語だったのだ。

赤ずきんは物語であって小説ではない。
そういう素朴な力強さを感じる。

照吉は語気を強めた。
「男は気力や。気力があればええのや。

オススメ度★★★

関連記事:
スタンダール - 赤と黒
三島由紀夫 - 金閣寺

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スタンダール - 赤と黒

2007/07/19

赤と黒を読んだ。
復古王政を批判した内容だが、出版前に七月革命が起きてしまったらしい。

単なる恋愛小説ではないので、
よりよく理解するにはさらに勉強する必要があるだろうが、
やはり物語としてはジュリアンの野望と情熱に熱いものがあるので、
まずはそこに注目。

一文あらすじ・・・
野心に燃える材木商の息子ジュリアンが、
低い身分ながら、高い才知を以って上流社会へ入り、
レーナル夫人とマチルド嬢という二人の高貴な婦人と関係を持つも、
レーナル夫人の手紙を引き金に、最後は処刑されるお話。

後に発表されるパルムの僧院では、
理性を駆使した公爵夫人と、本能の赴くままのファブリス、という対比だったが、
ジュリアンの場合、二人の婦人に対してその対比をなしているような気がする。

レーナル夫人対しては、自然に出る感情、
マチルドに対しては相手の心理を探り合う理性的な感情。

特に中盤以降のマチルド攻略(!)は圧巻。
いかに相手の上に立って支配するかという心理戦にも近い
交流が心地よいスピード感で表現される。

マチルドは「自分が愛されていないのではないか」という気持ちでいなければ、
相手を愛せない、という恵まれすぎた環境ゆえの複雑な感情を持っている。

もし、相手が自分に夢中になっていると知れば、
たちどころに相手を下に置いて軽蔑してしまうのである。

当然、ジュリアンもそれを知っているし、
知っているからこそマチルドの愛を勝ち得ることができた。

しかし、この戦略的で理性的な計算の上に成り立った愛は、
「死」という本能に働きかける現象の前では
ただわずらわしいものでしかなかった。

ジュリアンがその死に際して最も欲したのは、
野心と名誉の行き着く先でもなく、才知で得たマチルドでもなく、
その感情が求めるレーナル夫人だった。

かげろうは夏の暑いさかりに朝の九時に生れて、夕方の五時には死んでしまう。どうして夜という言葉が理解できよう?

オススメ度★★★★

関連記事:
スタンダール - パルムの僧院
アベ・プレヴォ - マノン・レスコー

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アベ・プレヴォ - マノン・レスコー

2006/12/06

マノン・レスコー
マノン・レスコー
を読んだ。

読んだのは勝見勝訳のマノン・レスコオ(1950年)。

アンドレ・ジッドは一応「フランス十大小説」の一つとしているらしい。

本作は椿姫の中にも出てくる本で、
それをたまたま古本屋の50円棚で見つけたので買ってみた次第。

マノンとグリゥの盲目的恋物語。
グリゥの金が尽きると、他の金持ちに走るマノン、
それでもグリゥはマノンを追いかけ、逢えばやはりグリゥを愛するマノン。
というのが延々続く、ある意味偉大な作品。

事件毎のグリゥの申し開きが、割と納得できたりするところもあって面白い。
特に、美徳に関する親友チベルジェとの議論は興味深い。
宗教的立場の美徳というものは、ただ信仰によってのみ
確かめられるものであるが、恋の幸福は体で感じられるという
グリゥの信念が語られる一幕。

そして、あらゆる罪の果てに、二人はアメリカまで渡り、マノンはそこで息絶える。
まさに地の果てまでも、という感じ。

この本を「慎み深くあれ」の言葉と共にマルグリットに贈る気持ち、
分かりますね・・・。

オススメ度★★

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デュマ・フィス - 椿姫

2006/11/03

椿姫
椿姫
を読んだ。

三銃士やモンテクリスト伯などでお馴染みディマの息子による小説です。

一世を風靡する社交界の娼婦マルグリットと、彼女を愛する青年アルマンの物語。

お金持ちの貴族を相手に、放埓な生活をしていたマルグリットが、
アルマンの愛によって、初めて恋をするようになります。
しかし、娼婦という立場からマルグリットは代償以上の苦しみを味わい、
アルマンも最後まで彼女は娼婦だった、という意識を捨て去ることができませんでした。

世間から見れば蔑まれているマルグリットが、最も強い人間として描かれています。
最初は徒に日々を浪費していたマルグリットが、
アルマンによって心に変化が現れ、最後もまたアルマンによって
高潔の人となっていく様子がすばらしい。

結局、アルマンはマルグリットを愛してはいたものの、最後まで赦しを請い、
マルグリットは最後まで赦し続けました。

序盤に描かれる、やや大げさなアルマンの様子と、
マルグリットの遺した手紙が、最後の最後に生きてきます。

この作品が24歳の時の作品だとは・・・

どんなに美しい決心だって、ばかばかしい鎖だけど、鉄のように丈夫な鎖でしっかりこの世につなぎとめられていて、容易なことじゃ、その鎖をたちきることはできないのよ。
- たびたび、アルマンに忠告するプリュダンス。

オススメ度★★★★

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スタンダール - パルムの僧院

2006/10/21

パルムの僧院 パルムの僧院
パルムの僧院
を読んだ。

最近名作に凝ってますが、今回はスタンダールの代表作。

慣れない文体で最初ちょっと読みづらかったのですが、
慣れてしまえば問題なし。

登場人物は最初に名前が出た後は、
ほとんど肩書きで書かれるので、注意していないと、誰だか分からなくなります(笑)
男性は、公爵とか、伯爵、女性は伯爵夫人とかですね。

爵位についてはこちら(爵位 - Wikipedia)。

公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の五爵ですが、これらは中国で始まったもののようです。
ヨーロッパのほうでは、Duke、Marquess、Earl/Count、Viscount、Baronで、
これを公、侯、伯、子、男に対応させているのは面白いと思うのですが、
もちろん厳密に対応するものではないようです。
こういった「位」を訳すというのもおかしな気はしますけど(笑)

さて、主人公は恋を捜し求めるファブリスですが、
やはり読み応えがあるのは公爵夫人の立ち回りでしょう。

ファブリスはひたすら自分の好きなように行動するのですが、
公爵夫人も負けず劣らず、自分の思うようにしています。

ただその質が少々違って、
ファブリスの純粋でストレートな行動と、
公爵夫人の持てる手段と才知による行動の対比が面白い。

もちろん、そこにモスカ伯爵などが加わるのですが、
これらの人物に共通しているのは恋や権力による「情熱」でしょうか。
各々の情熱によってその個性が描かれています。

しかし、最後のアネッタとか、ゴンゾは必要だったのかな・・

オススメ度★★★

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アンドレ・ジッド - 狭き門

2006/09/29

狭き門
狭き門
を読んだ。

互いに自らの魂を善くしながらも、
恋を成就させようとするジェロームと、
さらなる高みを選択したアリサの物語。

題名はルカによる福音書第13章24から

力を尽くして狭き門より入れ。
滅びにいたる門は大きく、その路は広く、之より入る者おおし。
生命にいたる門は狭く、その路は細く、之を見いだす者少なし。

より。

アリサは、徳を重ねることで「報い」を望むことをよしとしませんでした。
神へ少しでも近づくことを望みながら、それでも神の下にたどり着いてはいけない・・。

努力の過程に、その結果を越える喜びを見出すことの幸福と恐怖、絶望。
報われることは決して幸福なことではない・・
幸福になるために生きるのではない。

妹ジュリエットの結婚でそれが確定的になったのかもしれません。
ジェロームと結婚して、その後は?果たして、魂はより善くなるのか。

近寄りがたい美しさ(美しいと表現するのであれば)が綴られます。

そして、本書で最も切なく美しいシーンだと思うところ。

「では、魂は、幸福以上に何を望むというんだろう?」と、わたしは性急に叫んだ。彼女は小声でつぶやいた。
「聖(きよ)らかさ……」

言われてみたいけど、絶対に聞きたくないセリフですね。

# ただ、ジェロームがもう少し不徳であったならあるいは、という所も何度かあるんですよね。
# そうなったら物語として成立しないんですけど。
# ノベルゲームには最適なんだよなぁ(笑)。

オススメ度★★★

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