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坂口安吾 - 不連続殺人事件

2007/08/30

不連続殺人事件を読んだ。

坂口安吾はミステリーも書くのか、と驚いたが、
氏は相当なミステリー好きだったらしい。

独特の文体そのままに物語が展開されてゆく。

ある資産家のところへ集められた、一癖も二癖もある文士達の中で
次々と謎の殺人が行われてゆく、というもの。

木を隠すなら森の中へ…

一見異常な行動も、周囲が奇異だと自然になってしまうという所がポイント。
小手先のトリックは存在しない。
ガチガチのアリバイ探しも無い。
ただ、心理を拠り所にした犯人の大胆さ、
物語の潔さ、スケールの大きさが感じられる。

もし神様にやさしくだかれて悪事をささやかれたら、いったい人はどうなると思う。

オススメ度★★★

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カテゴリ:, 小説, ミステリー

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ドストエフスキー - 貧しき人びと

2006/09/21

貧しき人びと
貧しき人びと
を読んだ。

内容としては、表題通り貧乏な男と、貧乏な若い娘の手紙のやりとり。

貧乏生活における喜怒哀楽を経て、最後に愛する娘はお金持ちにもらわれてゆきます。

ただそれだけです。

本当にそれだけで、こちらとしてはかなり突き放された心地にさせられます。

それは例えるなら、ルネ・マグリットの絵のようなものです。
そこにあるものをそのまま切り取ったような、作品。

坂口安吾の「文学のふるさと」という一篇を思い出したのですが、

けれども、この孤独は、いつも曠野を迷うだけで、救いの家を予期すらもできない。
そうして、最後に、むごたらしいこと、救いがないということ、それだけが、唯一の救いなのであります。

マカール氏の最後の手紙によれば、ワーレンカは曠野へと旅立ってゆく、まさにマカール氏にも、読者にも救いが無いんですよね。

何か、氷を抱きしめたような、せつない悲しさ、美しさ、であります。

すごく悲惨な現実をえぐっているんだけれども、それを「氷を抱きしめたような」作品に仕上げているあたり名作なんだなあ、という思いです。

本書より

今は人間ひとりが生きるか死ぬかという大事なときなんですよ。
それに比べたら飾縫いなんかぼろ切れじゃありませんか、飾縫いなんてぼろ切れですとも。いや、このわたしだって、こんど月給をもらったら、そんな飾縫いなんかいくらでもきみに買ってあげます、買ってあげますとも。懇意な店だってあるんですから。
ただ月給日まで待ってくださいよ

オススメ度★★★

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