ラース・スヴェンセン - 退屈の小さな哲学
退屈の小さな哲学を読んだ。
苦痛なく苦しみ、意志なく欲し、論理なしに思考する - フェルナンド・ペソア
退屈についての歴史や考察がまとめられている。
退屈という現象がどのように現れ、それが何を意味しているか、
など興味深いことを、哲学初心者にも読みやすく書いている良作だと思う。
最後の、著者自身の退屈考察はやや説明不足な気もするけど、
退屈について、どのような考察がなされてきたかを知るヒントがつまっている。
そもそも、退屈というのは昔は贅沢なことで、
人は毎日働き続けなければ生きていけなかった。
だから、退屈できるのは、働かなくても生きていける身分の高い人たちのものだったのだ。
高慢と偏見のエリザベスの言葉
でも、まだ運がいいほうなんだわ、とにかくなにか不足があるってことは
は、貴族として、あるいは人間として、本質的なところを突いているいるように思える。
今や、多くの人が四六時中働かなくても生きていけるようになり、
退屈が一般的に生じるようになった。
いかに生活を楽をするか、それを求めて文明が発達して来た結果、
少しずつ退屈が広がり始めている。
面白いものが欲しいという人間の欲求は、
退屈を紛らせたいという欲求の裏返しかもしれない。
人間にとって興味があるのは不足しているものだけだからである
人間の行為は、「まだ見ぬ何か」を手に入れようとする行為だ。
行為が退屈を生み出しているとしたら、
退屈は、原理的に解消不可能な現象である。
今はまだ、退屈を埋められる別の現象が沢山あるように思える。
しかし、そのような現象を集めて退屈を埋めることが、
そもそも退屈で、虚しいことだと思う人達もいるだろう。
退屈しのぎを超えた行為というものはあるのか、どうか。
オススメ度★★★
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