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スタンダール - 赤と黒

2007/07/19

赤と黒を読んだ。
復古王政を批判した内容だが、出版前に七月革命が起きてしまったらしい。

単なる恋愛小説ではないので、
よりよく理解するにはさらに勉強する必要があるだろうが、
やはり物語としてはジュリアンの野望と情熱に熱いものがあるので、
まずはそこに注目。

一文あらすじ・・・
野心に燃える材木商の息子ジュリアンが、
低い身分ながら、高い才知を以って上流社会へ入り、
レーナル夫人とマチルド嬢という二人の高貴な婦人と関係を持つも、
レーナル夫人の手紙を引き金に、最後は処刑されるお話。

後に発表されるパルムの僧院では、
理性を駆使した公爵夫人と、本能の赴くままのファブリス、という対比だったが、
ジュリアンの場合、二人の婦人に対してその対比をなしているような気がする。

レーナル夫人対しては、自然に出る感情、
マチルドに対しては相手の心理を探り合う理性的な感情。

特に中盤以降のマチルド攻略(!)は圧巻。
いかに相手の上に立って支配するかという心理戦にも近い
交流が心地よいスピード感で表現される。

マチルドは「自分が愛されていないのではないか」という気持ちでいなければ、
相手を愛せない、という恵まれすぎた環境ゆえの複雑な感情を持っている。

もし、相手が自分に夢中になっていると知れば、
たちどころに相手を下に置いて軽蔑してしまうのである。

当然、ジュリアンもそれを知っているし、
知っているからこそマチルドの愛を勝ち得ることができた。

しかし、この戦略的で理性的な計算の上に成り立った愛は、
「死」という本能に働きかける現象の前では
ただわずらわしいものでしかなかった。

ジュリアンがその死に際して最も欲したのは、
野心と名誉の行き着く先でもなく、才知で得たマチルドでもなく、
その感情が求めるレーナル夫人だった。

かげろうは夏の暑いさかりに朝の九時に生れて、夕方の五時には死んでしまう。どうして夜という言葉が理解できよう?

オススメ度★★★★

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スタンダール - パルムの僧院

2006/10/21

パルムの僧院 パルムの僧院
パルムの僧院
を読んだ。

最近名作に凝ってますが、今回はスタンダールの代表作。

慣れない文体で最初ちょっと読みづらかったのですが、
慣れてしまえば問題なし。

登場人物は最初に名前が出た後は、
ほとんど肩書きで書かれるので、注意していないと、誰だか分からなくなります(笑)
男性は、公爵とか、伯爵、女性は伯爵夫人とかですね。

爵位についてはこちら(爵位 - Wikipedia)。

公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の五爵ですが、これらは中国で始まったもののようです。
ヨーロッパのほうでは、Duke、Marquess、Earl/Count、Viscount、Baronで、
これを公、侯、伯、子、男に対応させているのは面白いと思うのですが、
もちろん厳密に対応するものではないようです。
こういった「位」を訳すというのもおかしな気はしますけど(笑)

さて、主人公は恋を捜し求めるファブリスですが、
やはり読み応えがあるのは公爵夫人の立ち回りでしょう。

ファブリスはひたすら自分の好きなように行動するのですが、
公爵夫人も負けず劣らず、自分の思うようにしています。

ただその質が少々違って、
ファブリスの純粋でストレートな行動と、
公爵夫人の持てる手段と才知による行動の対比が面白い。

もちろん、そこにモスカ伯爵などが加わるのですが、
これらの人物に共通しているのは恋や権力による「情熱」でしょうか。
各々の情熱によってその個性が描かれています。

しかし、最後のアネッタとか、ゴンゾは必要だったのかな・・

オススメ度★★★

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