2007 10月 - しろログ

夏目漱石 - 門

2007/10/08

門を読んだ。

三四郎、それから、に続く前期三部作と呼ばれるものの最後。

宗助が、友人安井と同棲していた御米を、半ば奪う形で結婚し、
そのために背徳者として、家と世間から切り離されて暮らす話。

決して、御米が嫌がってるわけではない。
むしろ二人で一つ、お互いがいれば他には何もいらない、
というくらいの仲。

背徳という闇の中にともる灯火のような二人だが、
決して不幸には見えない。

実際彼らは不幸ではなかったが、
不幸でないことを自覚しているわけでもない。

ただ世間の風雨を人一倍感じざるをえないだけである。

背徳者だけが感じる不安が巧妙に描かれている。

最後の御米と宗助の会話。

御米は障子の硝子に映る麗かな日影をすかして見て、
「本当にありがたいわね。漸くの事春になって」といって、晴れ晴れしい眉を張った。
宗助は縁に出て長く延びた爪を剪りながら、
「うん、しかしまたじき冬になるよ」と答えて、下を向いたまま鋏を動かしていた。

このシーンは、そのまま冒頭のシーンにつなげることもできる。
季節がめぐるように訪れる、終わることのない不安を暗示している。

以下、深読みコーナー。

大家さんが饅頭をごちそうしてくれる場面。

主人は箸とも楊枝とも片の付かないもので、無雑作に饅頭を割って、むしゃむしゃ食い始めた。宗助も顰に倣った。

というくだりがあるのだが、「顰(ひそみ)に倣う」というのは、「真似すること」を謙遜した言い方だ。

この語源を調べてみると面白い。
「顰に倣う」は「西施(せいし)の顰に倣う」という中国の話から来ていて、
その話は以下のようなものである。

春秋時代、西施という美女がいた。
西施が胸の病で、苦しみ、眉をひそめていたところ、
それを見た醜女が美しいと思い、自分も真似をしたところ、
あまりの醜さに金持ちの村人は門を閉ざし、
貧乏人は逃げ出した。

この逸話は漱石も知っていたんじゃないかと思うが、
門というテーマにひっかけていたとしたら面白い。

…まあ、たぶんそんなことは無くて、
たまたま使おうと思った言葉と逸話が関係あるっぽいだけだろうが。

オススメ度★★★★

関連記事:
夏目漱石 - 三四郎
夏目漱石 - それから

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Halo3

2007/10/05

Halo3

Halo(ヘイロー)3をやってみた。

XboxのビッグタイトルHaloの完結編。
発売日にビックカメラで買ったけど、結構デモ眺めてる人はいた。
このグラフィックならしばらく眺めたくもなるかな、と思う。

Halo3スペシャルエディションで本体買ってる人もいたし、
日本ではシェアの低いXbox360にしては、まあまあ盛況だった感じ。

見れば分かるようにジャンルはFPS。
以前は興味ないジャンルだったけど、ロスプラとか、このくらいのレベルだとやる気が出る。
DOOM時代と違って酔ったりしなくなったのでだいぶ慣れたっぽい。

コントローラーの左右をリバースにできなくて、
最初かなり操作しづらかったけど、なんとかなった。
上下左右リバースって変なのかな。
でも据付の機関銃なんか操作する時は、普通に上下左右リバースのような…

グラフィックは評判通り。
PS2時代のムービーの中を走り回ってる感じ。
暗い所から明るい所に出たとき、ハレーション起こしたり、
戦車とかに乗りながら移動すると前のほうにいる仲間がささっと避けたり、
変なことしてると、さりげなく助言してくれたり…
いろいろと凝ってる。

音響もいい感じ。
隊のみんなはもちろん、敵も結構しゃべってて、
「周りにいるなぁ」って感じがする。

システム的には、倒した敵が持ってた武器を次々奪って使えるのが面白い。
あと乗り物に味方乗っけて、攻撃は味方に任せて、自分は操縦したりとか(逆もできる)。

ネットワーク対戦も熱いらしいが、まだやってない。
けど、やっぱり皆でガヤガヤやるのが楽しいと思う。
本編でもその気分は十分味わえるけどね。

毎度のことだけど、このクオリティを楽しむには
HD対応ディスプレイと5.1ch必須。でないと50%は損する。

まあ、360ユーザーなら間違いなく買いで。

あと、HaloとHalo2をやってない人は、ヒストリーパックがオススメ。

自分もやってなくて、元々買うつもりは無かったのだが、
Halo3のあまりの面白さについ買ってしまった。
こうなるなら最初にこっちから始めれば良かった(笑)

グラフィックなどは当然3に劣るが、5.1chサラウンドだし、面白さ自体は全く遜色ない。

いくら同タイトルでも前世代機のだし、
期待はずれになるかな、と思いながら買ったのだが、良い意味で裏切られた感じ。
この値段でこの完成度はかなりお買い得。

一通りクリアしたら再度3に挑戦する予定。

ちなみに実写版『Halo』の計画があったが、制作は中止されてるらしい。


関連記事:
ロストプラネット
Xbox360を買おうとしてみた
Xbox360買った

関連リンク:
Halo3をプレイする95歳のおばあちゃん(日本)
Haloを作ったBungie StudioがMicrosoftからスピンアウトした件について

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カテゴリ:ゲーム

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アニメ CLAYMORE クレイモア

2007/10/02

どこまで歩いても終わりが見えない
過去の記憶を道連れに
此の身は何色に染まりゆくのだろう
答えを探している

テレビアニメ、クレイモアを見た。

冒頭の引用はオープニング曲レゾンデートルから。
内容とマッチしたいい曲だと思った。

クレイモア

人間を襲う妖魔を、クレイモアと呼ばれる半分人間・半分妖魔の存在が倒していく話。
クレイモアは基本的に人間だが、戦う時は妖力を解放させて戦う。
妖力が限界を超えると、クレイモアもまた妖魔となってしまう。

という、設定的には、うしおととらのような感じ。
ストーリーの流れはベタなほうだと思う。

ちなみにクレイモアは女性しかいない。
男性はあっという間に暴走して使い物にならないらしい(笑

描写は割とエグめ。
すぐ手足飛んだり、体もバラバラになる。

キャラはどうなんだろ。
好き嫌い分かれるのかどうか。
カッコイイ顔の時と、すんごい変な顔の時の落差も激しいけど、
人形のような妖しさがお気に入り。

あと、時々で違うけど、クレイモア達の彩度を落とした、
モノクローム気味の色合いがいいと思った。
火花、眼の色、血の色なんかが効果的に映る。

と、概観はこんな感じ。

内容としては、やっぱり

「力は本質的に悪の属性である」ということを、確り描いたアニメ作品
クレイモア -力の本質的な悪について-(ロリコンファル)

に尽きるんかなぁ。
うしとらと違う点もそこにあるように思う。

肉体的な力と精神的な力の二元論に発展するのかな、と思ったけど、
それほど強調された描写は無かったし。

あと個人的な見所としては、持たざる者としてのラキ。

ラキは「クレアを守りたい」と常々言っていたが、
物理的に守れるようになれるはずがない。

だからせめて心の支え的な意味で「守れるようになりたい」ということになるが、
実際には、クレアの心はテレサが占めてることが多くて、
あぁ、そう簡単にテレサの代わりにはなれるわけないよな、
っていう妙にリアルな無力感が味わえたりする。

なんというか、こういう無力感を解消できる力って、
努力して手に入るような力じゃねーぞ、っていう…
存在しない力を探すような、本当の無力感なんですね。

妖魔とクレイモアに囲まれながら
「人間」というキャラを粛々とこなしてる感じが印象的。

OP. ナイトメア - レゾンデートル
ED. 小坂りゆ - 断罪の花~Guilty Sky~

関連リンク:
『CLAYMORE』公式サイト:CLAYMORE.com
日テレ クレイモアページ
クレイモア - Wikipedia

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