しろログ

日々巡り会ったものの感想・レビュー

Month: 12月 2005

中尾佐助 – 分類の発想―思考のルールをつくる

分類の発想
分類の発想 思考のルールをつくる
を読んだ。

オブジェクト指向開発で、どのクラスにどういうメソッドを持たせるか、ということで、うまく分類する方法は無いものかとヒントを求めて安直に「分類学」というキーワードに飛びついたわけですが。

分類学の起源は本草学にあるようで、本書も植物・生物等の分類について述べられています。

前書きでも述べられている通り、結構脱線もあって、しばしば「分類」とはかけ離れてたりします。

ただ、分類と比較という点について、分類を軽く見ないほうが良いということは実感できます。

その分かりやすさと手軽さから、多くの分野で「類型分類」というイメージ先行の分類が多用されているようですが、これも分類の基準(クライテリオン)をはっきりさせないと、非常にあいまいな分類になってしまうようです。

と、もっともらしく書いてみましたが、実は本編はそれほど頭に入っておらず、それ以外の話が意外と頭に入っています。

先日のエントリーで書いた「キーワードについて」もそうですが、
それ以外には「進化」という言葉について。

君の祖先は猿かもしれないが、私の祖先は神が創りたもうた

進化論反対論者によるセリフとのことですが、「これは明らかに明確な人間中心の価値観が背後に確立していることを示している」と述べられています。

結局生物界で最も上に立つ者は人間である、という価値観が根底にあるからこそ、進化論が受け入れられている今でも、ヒトは猿から「進化した」と言う。

人間は尾が無く、尾?(てい)骨が痕跡的に残るだけだが、それは尾が退化したものとされ、同時に不要な尾を廃棄するという進化を遂げたとされている

進化であろうが退化であろうが、それは「変化」であることに変わりは無く、実際「進化」という言葉は「変化」に置き換えても、意味が通じると述べられています。

それを進化と言い換えて違和感が無いのは「人間様が一番上」という価値観を既定のものとして了解しているからである、と。

“進化”は科学用語でなく、心情用語だということになる

進化”論”が、進化”学”になれないというのも、この辺が一枚かんでるのかな、とか思ってしまいました。

余談ですが、今朝の朝日新聞の別紙Beに、とあるイギリス人記者によると日本人はラベリング好きだ、という記事が載っていました。

ラベリングとは、フリーター、ニートなどのラベルをつけて分類することです。

実際、「ニート」という言葉はイギリス生まれですが、本国では定着せず、日本で何もしない若者のラベルとして定着しているようです。

イギリスはもともと階級社会なので、すでにラベリングされているから定着しないのでは、ということですが、既に分けられたものは改めて分ける必要は無いということなのか、どうなのか・・

考え始めると長くなりそうなので、またの機会に…。

オススメ度★★

分類とキーワード

たまたまなぜネットではディレクトリが敗れ、サーチとタグが勝利するのかと、今読んでいる本の内容が重なっている所があったので、メモ。

かつて、ディレクトリのYahoo、ロボットのgoo、という時期もあったが、今やYahooのディレクトリは下のほうへと追いやられ、検索もGoogleちっくなものに変わっている。

確かに、ネット世界がある程度見渡せた時期は、ディレクトリサービスは使いやすかった。
gooのようなロボット型のインデックスアルゴリズムが、それほど優れていなかったころ、
サイトの質を重視したい場合は、Yahooのディレクトリから探していた。

しかし、爆発的な勢いでコンテンツが増加している今日、人力による一元的な分類には限界が来たことは、YahooがGoogleタイプの検索システムを前面に出したリニューアルを見ても明らかなようだ。

そして、今ネットに台頭し始めたのは、「キーワード」や「タグ」である。

タグはそれほど浸透していないかもしれないが、キーワードは検索には必須の要素となっている。

ところで、今読んでいる本は、90年に出版された本なのであるが、この15年前の本の著者は既に、情報を引き出す要素として「キーワード」の採用を提案している。

(ちなみに1990年といえば、25MHzのCPUに8Mのメモリ、100MBのHDDのパソコンが200万円で売っていた時代。
ゲームで言うと、スーパーファミコンが次世代マシンとして登場したころである。)

そのキーワードの設定は作者や第三者が行い、そのキーワードはコンピューターに入力し、検索できるようにすれば良いとある。
(そういう意味で、これは今で言う「タグ」にあたるものだろう)

ネットでは、キーワードの抽出・管理を、例えばGoogleが行い、タグも写真共有サービスflickrはじめ、一部で付けられつつあるようだ。

そんなこの本が何の本かと言うと、「分類の発想」という分類学の本だったから、ちょっと面白いと思った。

著者曰く、分類手法等の発達に関して、歴史があり、特に優れているのが生物関係の学問で、人文学・社会科学などにおける分類はまだ初期段階ということである。

ネットでは、分類が極まってキーワードやタグが発生したわけではなく、分類しきれずにキーワードの必要性が出てきたわけであるが、もしネットにおいて、この「分類」が未発達なのだとしたら、確かに一時的には「ディレクトリが敗れ」たのだとしても、まだ復活の余地があるような気もする。

ただし分類に限界があるのは事実なので、ディレクトリが今までと同じディレクトリとして復活するかは難しいように思える。

個人的にはGoogleのような精度の高いキーワードサーチでも、しばしば結果に不満があったりするので、少なくとも現在のようなサーチ形式が長く続く保障は無いと思っているし、キーワードとディレクトリが融合したようなサービスも十分期待できると思っている。

朝日選書409 中尾佐助著 分類の発想 思考のルールをつくる

立川敬行 – XML徹底入門―マルチメディア応用からセマンティックWebまで

XML徹底入門―マルチメディア応用からセマンティックWebまでを読んだ。

今後Webサービスを中心にますます利用されていくであろうXMLの全体を、ちょっと詳しく知りたい人向け・・

Amazonレビューでもあるように、入門とは言いつつ、RSSなどでXMLをちょっとかじった人が次のステップに行くための基礎固め的な本。

教科書的にXMLの基礎と、概要・用途などが網羅されています。

面白い本ではありませんが、堅い内容が好きな方にはいいかも。

オススメ度★★

クレイトン・クリステンセン – イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

イノベーションのジレンマ
イノベーションのジレンマ
を読み終えました。

すごい・・・

この人そのものが、すごい(笑) – 気になる方は本書解説参照

こんな人が書くものが、しょぼいワケがない!
今まで混沌としていた所に秩序が生まれたというか、
一筋の指針、見方を与えてくれた感じです。

この本を読めば、新技術、いや技術に限らず、
あらゆる物の出現にエキサイトできるようになるかも!

就職活動中の皆さんにも超オススメ(ちょっと遅いか!)。
企業を「ネームバリュー」「なんとなく」のモノサシで見ていた方には、
超強力理論仕様のモノサシをゲットできること間違いなしです。

世の中が面白くなる一冊。

オススメ度★★★★★

© 2017 しろログ

Theme by Anders NorenUp ↑