蟹工船を読んだ。

社会科の授業などでも一度は出てくる有名本。
例によってタイトルしか知らなかったので、読んでみた。

内容はご存知の通り、労働者の過酷な労働と搾取について。
でも、実際どういう話かは知らない人も多いかと思う。

あらすじは以下のとおり。
カニを獲るために地方の労働者が半分だまされた形で集められ、
劣悪な条件の中、死人の出るほど過酷な労働を強いられる。
耐え切れなくなった労働者は、団結し立ち上がらなければならないことを自ら知る。
一度は失敗し、全てのリーダーが捕らえられるが、
その後すぐに全労働者が立ち上がり、抵抗活動を成功させる。

「日本、まだ、まだ駄目。働く人、これ。(腰をかがめて縮こまってみせる)働かない人、これ。(偉張って、相手をなぐり倒す恰好)それ、みんな駄目! 働く人、これ。(形相凄(すご)く立ち上る、突ッかかって行く恰好。相手をなぐり倒し、フンづける真似)働かない人、これ。(逃げる恰好)――日本、働く人ばかり、いい国。――プロレタリアの国! ――分る?」

労働者(プロレタリア)がいなければ、資本家は何もできない、
という当たり前のことだが、労働者全員が真に自覚するのは難しいことだ。

本作はかなりの部分が「過酷な労働」の描写にページが割かれているが、
重要なのは、最後の最後「リーダーがいなくなっても立ち上がる人々」というところだと思う。

一部のリーダーに頼りきっていることと、資本家の下の労働者でいることは、
判断を他人にゆだねるという点においては同じことだ。

リーダーを失った時、それでも進むべき道を進めるか。

そんなメッセージが、本書を単なるドキュメンタリーで終わらせない、
時代の刹那に普遍性を見出す、名作たる所以であるように思う。

オススメ度★★★

関連リンク:
青空文庫 小林多喜二 – 蟹工船