サイモン・シン - フェルマーの最終定理
フェルマーの最終定理を読んだ。
常々読みたいと思っていたのを、近くの図書館で見つけたので、ついに読めた。
本書はフェルマーの最終定理にまつわる数学史のドラマをつづったものである。
まずサイモン・シンの構成力、説得力には驚愕する。
これは単に数学に興味ある人だけの本ではない。
ロマンを求める全ての人にオススメできる。
涙がにじむほどの感激で、証明の瞬間を迎えるだろう。
大事なのは、どれだけ考え抜けるかです。(略)
その問題以外のことを考えてはいけない。
ただそれだけ考えるのです。それから集中を解く。
すると、ふっとリラックスした瞬間が訪れます。
そのとき潜在意識が働いて、新しい洞察が得られるのです。
- アンドリュー・ワイルズ
さて、問題のフェルマーの最終定理とは、以下のようなものだ。
xn+yn=zn
この方程式はnが2より大きい場合には整数解をもたない。
よく知られたピタゴラスの定理は、nが2の時、つまり、
x2+y2=z2
である。(解の例:x=3、y=4、z=5)
ところが、このnが3以上になると解は無いというのである。
問題の意味は誰でも分かる。
しかし、これが証明されるまでに358年を費やしたのだ。
フェルマーは言った。
私はこの命題の真に驚くべき証明を持っているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない。
そして、記すことの無いまま、世を去った。
これがどのようにして証明されたかは当然、本書を読んでいただきたいと思うが、
一応覚書として、背理法による証明の概略だけメモしておく。
・フェルマーの最終定理が間違いで、少なくとも一つの解が存在すると仮定する。
・解を持つとすると、この方程式は楕円方程式へ変換できる。
・谷村-志村予想により、全ての楕円方程式は、モジュラーでなければならない。
・しかるに、変換した方程式は、楕円方程式であるにも関わらずモジュラーでない。
・よって、フェルマーの最終定理に解が存在するという仮定は誤りであり、解が存在しないことが証明された。
また、本書を読んで、
あらゆる学問の中で最も美しいのはやはり数学かもしれないと思えた。
証明は、一分の隙も無いという意味で完全であり、絶対である。
つまりイデア的な美しさを目の前にできるのだ。
世の中に、「完全」とか「絶対」というのはそう多くない。
例えば、手に持ったボールを離したら、地面に落ちていく。
それは確かだし、恐らく地球上でその反例を見た者はいない。
ところが、それを証明するすべが無い。
「絶対に落ちる」とは言えない。
宇宙船で生まれ育った人に、
「ボールを離したら、地面に落ちていく」
ことを理解してもらえるだろうか。
数学は理解してもらえるのである。
疑問の余地が一切無い「証明」という行為ができるのは
ただ数学だけであるという点で、数学は美しいのである。
「不滅」とは愚かしい言葉かもしれないが、それが意味するものになる可能性は、たぶん数学者がいちばん高い。
G・H・ハーディ
唯一の疑問は、フェルマーが当時の数学テクニックでこの定理を証明できていたのか、ということ。
もちろんフェルマーの頭の中だけのテクニックもあったかもしれないが、
証明できていたとすれば、ワイルズのそれよりも、
もっとエレガントな解法だったりするのではないかと思ったりもする。
オススメ度★★★★★
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サイモン・シン著「フェルマーの最終定理」を読んで…
サイモン・シン著作のドキュメンタリー数学小説『フェルマーの最終定理』(青木薫訳)を読みました。実は読み終えたのはおよそ2ヶ月前だったのですが、なかなか感想を書けずにお (more…)
フェルマーの最終定理を、エクセルで証明して見よう。
フェルマーの最終定理は、nが2より大きい自然数であれば Xn+Yn=Znを満たす、自然数X、Y、Zは存在しないと言う内容です。n=2の時、3×3+4×4=5×5が存在する。しかし、n=>3なら数式を満たす自然数はない。エクセルを使って、理由を説明する。シートⅠのA列に1・2・3・4・5・・・27と入力する。B列にはA列を1乗する式(B1=A1等)、C列には2乗する式(C1=$A$1×B1等)、D列には3乗する式(D1=$A$1×C3等)、・・・・K列には10乗する式(K1=$A$1×J1等)を入力する。1の1乗から27の10乗までの数値が出た。シートⅠのC列(2乗列)をシートⅡのA列に貼り付ける。B列はA列の前後数値の差を計算する式(B1=1 B2=A2-A1 B3=A3-A2等)を入力する。更に、C欄にB列の前後数値の差を計算する式(C1=1 C2=B2-B1 C3=B3-B2等 1行目は常に1)を入力する。C列は1・2・2・2・2・・と2が続く。シートⅠのD列(3乗列)を別シートのA列に貼り付ける。A列の差額を求める式をB列に、B列の差額を求める式をC列に、C列の差額を求める式をD列に(1行目は常に1)入力する。D列は1・5・6・6・6・6・・・と以後6が続く。同様に4乗列は差額を求める計算を4回繰り返すと、E列に1・12・23・24・24・24・・・と24が続く。10乗列は10回繰り返しで1・1014・48854・504046・1814400・3124754・3579946・3627786・3628799・3628800・3628800・・と3628800が続く。10乗した数は、この数値(基数とする)を何倍かして足せば表せる。他の乗の場合も同じ。何倍すれば良いか計算する表を、作成する。新シート(累計シート)の1行目は全て1を入力する(A列からM列)。2行目は1行目の累計を計算する式(A2=1 B2=SUM($A1:B1) C2=SUM($A1:C1)等M列まで)を入力する。2行目は1・2・3・4・・13となる。3行目は2行目の累計を計算する式(A3=1 B3=SUM($A2:B2) C3=SUM($A2:C2)等)を入力する。3行目は1・3・6・10・15・21・・・91となる。4行目で3行目の累計を計算すると、1・4・10・20・35・56・・・455となる。11行目は1・11・66・286・・・646646となる。(これ以上はエクセル限界の為使わない)2乗の数値を求める。2乗の場合1と2を何倍かして足す。新シートのA1に1を、A2に2を入力する。累計シート2行目(1・2・3・4・・13)をB1から貼り付ける。累計シート3行目(1・3・6・10・15・21・・・78)C2から貼り付ける。例えば、E列は4を2乗した値です。1×4+2×6=16=4×4です。3乗の場合は、A1に1、A2に5、A3に6(3乗の差額を求めたシートより)を入力する。累計シート3行目(1・3・6・・91)をB1から、同じく3行目をC2から貼り付ける。累計シートの4行目(1・4・10・20・・・286)をD3から貼り付ける。例えば、I列は8を3乗した値です。1×36+5×28+6×56=512=8×8×8です。4乗はA列に1・12・23・24と入力し、累計シート4行目(1・4・10・20・・・364)をB1・C2・D3から、5行目(1・5・15・35・・715)をE4から貼り付ける。5乗は1・27・93・119・120をA列に入力し、累計シートの5行目を、1から119の行に一列づつずらして貼り付ける。120の列には6行目を一列ずらして貼り付ける。ルールは次の乗になると、その乗の差額を求めたシートで同数値が連続する列の値をA列に貼り付け、それぞれの行に累計シートの次行を1列づつずらして貼り付け、同数値が連続する数値行には、累計シートの次の行を1列ずらして貼り付けることだ。10乗目のA列には上記の1・1014・48854・504046・1814400・3124754・3579946・3627786・3628799・3628800を貼り付ける。累計シートの10行目(1・10・55・22・715・・・293930)をB1・C2・D3・E4・F5・G6・H7・I8・J9から貼り付け、11行目(1・11・66・286)をK10から貼り付ける。K列は10の10乗の数値で1×48620+1014×24310+48854×11440+504046×5005+1814400×2002+3124754×715+3579946×220+3627786×55+3628799×10+3628800×1=10000000000=10×10×10×10×10×10×10×10×10×10です。フェルマーの最終定理とは、何列目と何列目かを足せば何列目かになるかである。列は累計シート10行目を逆にした数列で、等差数列では無く、ある列とある列の基数の数を足しても、他列におけるそれぞれの基数の数とはならない。10乗の基数は1・1014・48854・504046・1814400・3124754・3579946・3627786・3628799・3628800である。1+3628799=1014+3627786=48854+3579946=504046+3124754=1814400+1814400=3628800となる。端から足して行けば、連続する数値(10乗で言えば3628800)になる。何乗の表でも同じです。列と列の基数の数を足して、足すと連続する数値になる基数同士の数が同じになるなら、全体は連続する数値の倍数となり、フェルマーの最終定理に反する可能性もある。しかし、10乗表の列は累計シートの10行目を逆にした数列となっている。小さい基数の方が多く、全体は3628800の倍数にはならない。では、基数が他の基数の倍数になっている場合は考えられるか。2乗の場合、基数は1と2で全ての基数が倍数の関係にある為、3×3+4×4=1×3+2×3+1×4+2×6=1×5+2×10=5×5となる場合がある。しかし、3乗以上の場合、全ての基数が倍数の関係にある場合はない。従って、nが2より大きい自然数であれば Xn+Yn=Znを満たす、自然数X、Y、Zは存在しません。