膚の下
膚(はだえ)の下
を読んだ。

あなたの魂に安らぎあれ、帝王の殻に続く、火星三部作の完結編。
2004年出版なので、割と最近ですね。
あなたの~が1983年なので、実に20年越しで完結です。

時間的には、どんどんさかのぼっていく感じですね。
逆から読んでも面白いと思います。
ただ、個人的にはやはり、出版順がオススメです。

どの作品も、自己存在について問うていることに変わりは無いのに、
どんどんスケールが大きくなっているようです。
それでいて、主題がぼやけていない。

複数の人間の心情を描いたり、
PABと親子、のような複数のテーマが立つことなく、
ただ、成長し、問い、道を見つける慧慈を描ききっています。

問いに対する回答という点でも、割とぼんやりしていた印象の過去二作に比べ、
ふっきれたような明確さと決意を感じることができます。
ストーリー展開もまとまっていて読みやすく、
まさに20年分の重みがあり、完成度が非常に高いと思います。

われらはおまえたちを創った
おまえたちはなにを創るのか

どんなになりたくても、なれないものがある・・・
であれば、それになろうとするのではなく、
ただ、自分は自分であるべきだ。
膚の下の自分を感じるべし。

全ての、神たるクリエイターへ。

オススメ度★★★★★

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