光あるうち光の中を歩め
光あるうち光の中を歩め
を読んだ。

プロローグとして、「閑人たちの会話」があります。

皆、神の御心にかなう暮らしをしなければならない、という意見を一致させながら、
幼年においては打撃を与えてはならないとして、
青年においては親の期待に背いてはならないとして、
壮年においては妻子に迷惑をかけられないとして、
老年においては長い習慣があるとか、余命いくばくもないとして、
結局新しい一歩を踏み出せずに、空しい議論のみに終始するのだという一幕。

当たり前のことなのですが、それをあからさまに書き出しています。
いかに人生の舵取りが難しいかを教えてくれますね。

さて、本編は、同じ学び舎で育った2人の青年が、
一方は俗社会に生き、他方はキリスト教徒となって、時に語り合う物語。

キリスト教に対する疑問と、それに対する回答、といった形で話が進むので、とても分かりやすくなっています。
自分が聞きたかったことを代わりに聞いてくれているようでした。

しかし、その教えが「個人の歩むべき道」を超えて「社会の歩むべき道」として良いものかどうかは結局分からなかった。
しかし、個人の道としては尊敬すべきものである気はする。

そして肉体の死が訪れたのも知らなかった。

人生の重荷を背負ったユリウスが人生の最後に到達した境地。
本当にそんな幸福があったものだろうかと、ため息の出る最期。

物や地位、名誉に対して幸福を求めるのは空しい。
死と共に、それらは全て失われるのだから。
精神の幸福こそ求めるべきもの・・・。

オススメ度★★★